喪服
●通夜の会葬者の喪服
通夜の服装は、男性は黒の略礼服が多くなりました。また黒っぽいスーツを着ている人も見かけます。これは通夜は急いで駆けつけるという意味もあって失礼にはなりません。
女性は黒っぽいワンピースかツーピース。和装なら紋つき羽織を着けています。
●葬儀・告別式の会葬者の服装
遺族や近親者、世話役代表(葬儀委員長)は、正式の喪服を着用しますが、その他の一般弔問客は略式の喪服でよいでしょう。略式の揚合、男性はダークスーツに黒ネクタイ、黒の靴下でよいでしょう。
女性の場合、黒のワンピースかツーピース、和装なら黒の一つ紋の着物、帯やハンドバックなども黒の物を用います。アクセサリーはつけませんが、真珠ならかまいません。
喪章は、遺族が喪に服していることを示すものですから、世話役などで喪家側の人間としてお手伝いする場合にはつけますが、一般の会葬者は着けません。
●学生、子どもの服装
学生は、男女ともに制服が喪服となります。なければ黒または地味な服装(グレーなど)に、腕章を右腕に巻くか胸に喪章かリボンをつけます。靴は黒、靴下も黒か白いものを使用します。また真夏には、男子なら白のシャツに黒ズボンと黒靴、女子なら白のブラウスに黒のスカート、黒靴がよいでしょう。
●喪主の喪服(通夜)
通夜には喪主や遺族も正式喪服ではなく、略式にしています。男性は黒のスーツに白のワイシャツ、黒のネクタイと黒の靴下です。和装では少なくなってきましたが、黒っぽい無地の小紋の着物に、一つ紋か三つ紋の羽織、袴をつけます。
女性の場合は黒無地のワンピース又はツーピース。和装なら、黒無地か地味な無地のものにします。
●喪主(男性)の正式喪服
和服の場合、黒羽二重の染抜き五つ紋付きに羽織袴で、慶事と同じ装いです。袴は仙台平で、帯は角帯。下着の衿は羽二重で、白、ねずみ色などを用います。下着の衿は弔事には重ねません。足袋は白が正式ですが、地方によっては黒が用いられています。
洋装の正式喪服は、黒のモーニングに黒のネクタイです。チョッキはシングルで、上着と共地です。ズボンは縞柄で、裾はシングルです。モーニングは昼間の礼装ですので、通夜では黒のスーツがよいでしょう。
●喪主(女性)の正式喪服
和装の場合、関西では地紋のない縮緬、関東では羽二重に染抜きの五つ紋をつけた黒の無地が正式とされています。夏の喪服は、あわせと同じ五つ紋付きの黒無地で、六月と九月がひとえ、七、八月は絽が正式とされていますが、最近では六月から九月まで絽で通すことが多いようです。帯は、絽か紗の黒の名古屋帯が一般的です。
洋装の正式喪服は、黒無地のワンピース、スーツ、アンサンブルです。ボタン、バックルは、共布か光沢のない共色にします。黒は飾りのない黒のパンプスが正式です。アクセサリーは結婚指輪以外はつけないのが本来です。
●キリスト葬の場合
キリスト葬の場合には、男子の正式喪服はモーニングとなっています。ネクタイは黒、手袋は黒か灰色です。女性の場合には黒色が正式ですが、カトリックに属している方は黒かそれに近い色のベールをかぶります。
●法要の服装
忌明け法要などには、喪服に近いものを着ますが、一周忌、三回忌と回を重ねるにしたがって、喪の表現は少なくしていくのが一般のしきたりです。
一般的には地味な平服で差し支えありません。男性はダークスーツにネクタイ、靴下も派手なものでなければ、黒にそろえる必要はありません。女性は、色無地の着物に黒帯か、洋装なら黒でなくとも、地味なワンピースやスーツならよいでしょう。アクセサリーは目立たないものにします。
おおよそ三回忌までは略式喪服を着るようにするのが無難でしょう。
※ホテル、料亭で法要を行う場合には、地味なスーツで出席する人がふえてきました。
●いわれ
喪服は凶服ともいわれ、父母・妻子、親戚等の「忌服」の間は、喪服を着ることが定められていました。「忌服令」にある「服」とは喪服を着るべき期間のことで、服者は神事に携わることは禁じられ、また公事にも参加できませんでした。服喪期間がすぎて、これを脱ぐことを除服といい、河原や門前で行ないました。このように、もともと遺族のみが喪服を着ることが義務づけられており、一般会葬者は喪服を着る定めはなかったのですが、大正後期から、一般会葬者も喪服を着用するようになってきました。また遺族も喪の期間を通して着服することはせず、葬儀の時にのみ喪服を着るように変わってきました。
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葬儀のしきたり
(Life Design Network様「葬儀大事典」より引用)